私たちの研究室では、加齢に伴う様々な疾患のメカニズムを解明するために、特殊な脂質であるプラスマローゲンという物質に着眼して研究を行っています。プラズマローゲンはグリセロール骨格のsn-1位にビニルエーテル結合をもつエーテルリン脂質です。哺乳類では細胞膜の構成成分としてほぼ全ての組織に存在しており、生体内において抗酸化作用などの役割を果たしていると考えられてきましたが、プラズマローゲンは、神経炎症や記憶・エイジング関連の遺伝子に関わる病態、DNAダメージ、腸管免疫などの他、多様な機能を発揮することが明らかにされてきています。ここでは、私たちの研究の内容の一部をご紹介します。